築100年以上、御師(おし)の家に泊まれる『菊谷坊』に行ってきました。
御師としては500年以上の歴史があり、宿の中の品々は見てるだけで面白かったです。宿の方も親切でいろいろ説明してもらいました。
とにかく建物の雰囲気が良すぎて、床がきしむ音とかも歴史を感じて最高でした。
菊谷坊は、
- 最寄り駅から徒歩14分でちょっと遠い
- エアコンの設置がない
けれど、
- 駅からは富士山ガン見えルート
- 都内よりマイナス7℃で涼しく寝れた
- 歴史を感じる品物が目白押し
で、めっちゃ良かったです。
古民家やレトロなものが好きなら絶対好みだと思う。
もくじ
菊谷坊
インターホンを押して玄関を開けるとこの雰囲気。最高です。
広間にある受付。
広間と隣の廊下には歴史を感じる品々が所狭しと飾ってありました。(後ほど紹介します)
3人部屋『往来』を独り占め、ドンピシャ好みの雰囲気
菊谷坊の客室は3人部屋の『往来』と4人部屋の『富士見』があります。どちらも2階です。
今回は3人部屋の『往来』に案内されました。
この古民家の雰囲気が個人的好みのど真ん中です。
富士山に登って修行する人たちを泊めてた建物なので、昔は何人何十人と寝てたのかな。
部屋の反対側から。
室内にも歴史を感じる置物や掛け軸が。
備品としてウェットティッシュ、アルコールスプレー、ティッシュがありました。
窓からは玄関までの細道が見えます。
窓を開けて寝てたので車の音は結構聞こえました。
山梨県民は運転が粗い気がする。バスも急停車急発進が当たり前な感じでした(笑)
服をかける場所。
不思議で懐かしいテーブルの模様。
飲み物は緑茶とスティックコーヒーが用意されてました。後からお湯を持ってきてくれます。
部屋の扉はふすまなので、鍵はかかりません。
貴重品は押入れの鍵付きボックスに入れます。デカくてノートパソコンとかも余裕で入りました。
エアコンなし、扇風機で乗り切れ!
菊谷坊にはエアコンがなく、扇風機しか置いてません。
東京では毎日エアコンをつけたまま寝てるので「暑くて寝れないんじゃ…」と不安だったけど、夜は結構涼しかったです。(布団かぶって寝た)
お天気アプリで調べてみると、東京が29℃のときに富士吉田は22℃となっていて、かなり涼しいです。(マイナス7℃!)
富士吉田は富士山のふもとの街で標高が高く(800m超え)、基本的には都内より気温が低くなります。
冬はそのぶん寒そうですけど……。
布団とそば枕
布団は普通でペラペラではなかったです。
そば枕は程よい硬さと涼しさがありました。
そば枕いいですよね。手入れがめんどうかなと思って今は使ってないけど、実家がそば枕なので思い出します。
古い施設なのにWiFiが爆速
古い施設なので期待はしてなかったけどWiFiが飛んでました。
速度を計測してみるとまさかの下り300Mbps超えで爆速。
富士吉田市でワーケーションができる施設としても使えるようで、ネット環境は整ってます。
4人部屋『富士見』も見せてもらった
4人部屋の『富士見』も見せてもらいました。
他に宿泊客がいなかったら、ひとりでもこちらの『富士見』を使わせてもらえると思います。
写真が暗くて全然写ってないけど手前には階段があり、客室全体が小上がりになってます。
こちらも雰囲気あるなあ。
雲がかかってて見えないけど、窓からは富士山が眺められるそうです。
トイレや風呂は共用、リノベされててキレイ
トイレ・洗面台・風呂・冷蔵庫・電子レンジは他の客室と共用になります。
客室は2つしかないので、そこまで”共用感”はないですけど。
マンガと小説もいくつかありました。正直不動産おすすめです。ドラマ化もされてましたね。
トイレ
トイレと風呂はリノベしたそうで、とてもキレイでした。
昔はボットン便所だったんでしょうか。
トイレ前の洗面台。歯ブラシとマウスウォッシュがあります。
風呂
檜風呂で雰囲気バツグン!トイレと同様、リノベされててキレイでした。
何時ごろに入るかを言っておいて、その時間までに湯船を溜めておいてくれるシステムです。
申告した時間より2時間ぐらい早めに宿にもどったので急いでお湯を溜めて頂きました。
冷めないように上に板が置いてあります。
「プラスティックのジャバラタイプじゃなくて本物の木材なのも雰囲気あるなあ」と思いました。
外した板はどこに置くのか……?とりあえずそのへんに立てかけておきました。
外した板の置き場所の正解はたぶんここです。
深さのある湯船で広くてゆったりできます。めっちゃよかった!
風呂場の洗面台もキレイでした。陶器じゃなくて木製なので宿の雰囲気と合っててよかったです。
ドライヤーは日本のTESCOM。風量はそこそこ、温度高めの温風が出せます。
アメニティー
アメニティーは、
- めんぼう
- 化粧水(無印良品)
- 乳液(無印良品)
- 歯ブラシ
- くし
- マウスウォッシュ
が用意してありました。
そういえばひげ剃りがないですね。風呂場にはシェービングフォームがあったので忘れてただけかな?
宿には歴史を感じる品々がたくさんあって見るだけで楽しい
御師(おし)は富士山に登る人々に食事と宿の提供、ご祈祷をして登山の無事を祈ることをしていたそうです。
今でいう宿屋+神職といった感じの職業。
御師の家は富士山に登るためにこの地を訪れた人々に宿を提供し、心身を清めるためにご祈祷を捧げ、食事などのお世話をしていました。現代風に言えば神職と宿屋を合わせたような職業です。
元々は「御祈祷師」の御と師をとって御師になったと言われています。
引用:菊谷坊公式サイト
当時は白装束で富士山に登ってたのが凄いです。ゴアテックスは甘え。
写真映えしすぎる
菊谷坊には歴史を感じる品々で溢れています。
なんとなく見てたら宿の方が声をかけてくださり、丁寧に説明して頂けました。
めちゃくちゃ写真撮ったので、一部をご紹介。
大正9年(1920年)に奉納された掛け軸。560名の名前が手書きで書かれてます。
これ全部1人の方が書かれたそうです。
よく見ると個人名はそれぞれフォントが違うのが面白く、デザインセンスを感じます。後半で間違えたらキツいだろうなあ。
マネキと呼ばれる奉納物。広告や看板みたいなもの。
恐ろしく昔の書物。こういった品が普通に廊下に置いてあります。これはひらがなかな?
ミシンもかっこいい。
オルガン。さすがに壊れてるそうです。
火をおこすときに風を送るふいご。ちゃんと使えました。
炭を入れるアイロン。後ろの部分を回して温度調節が可能です。よく考えられてますよね。
檀家まわりに使ったかばん。
御札を配ったりご祈祷したり調合した薬を渡していたそう。かばんの中には昔ながらの秤などがありました。
炭と筆をいれるもの。今でいうボールペン?
富士山に33回登ると大願成就するとされ、その時の記念品。33回……大変だ…。
5人分の弁当箱。写真の白装束姿が富士登山で修行する人で、後ろの人が荷物を運ぶ強力(ごうりき)。
山は気圧が低くて米が炊けなかったから麓で炊いて持っていくしかなく、なかなかデカイ弁当箱になったみたい。
自在こたつも面白かったです。中の金属部分に炭をいれて温まるもので、縦にしても横にしても斜めにしても、炭を入れた金属部分が回転して絶対に上を向くようになってます。こちらもよく考えたなあと関心しました。
表の通りには馬車線路が敷かれていました。結構長い坂道だから便利そうですね。
現在の様子はこちら。(富士山駅から宿に向かうルートです)
晴れてたら富士山がきれいに見えます。昼間は雲がかかることが多くてなかなか見れないんですけど、早朝はバッチリでした。(朝6時ごろ撮影しました)
宿から出たところの通りでこの景色だからいい場所にありますよね。
スタッフさんの案内があれば、ご神前と呼ばれる部屋も見学できます。
菊谷坊の御神殿は神社のような屋根付きの祭壇になっていて、全国でもかなり珍しいです。近くの浅間神社を真似して作ったのかな?とても立派でした。(御神殿はSNS投稿NGとのことだったので写真はなし)
奉納された太鼓。
富士登山で寒いときに着るダウンみたいなもの。結構厚みがあってもふもふしてました。
富士山信仰の展覧会で展示もされた奉納額。
土地を寄付し、その土地で取れた作物を御神前に供えることを意味するものだそうで、奉納額としては最も古いものの一つ。
基本情報・アクセス
予約は楽天トラベルやじゃらんは扱ってませんでした。
住所 | 〒403-0005 山梨県富士吉田市上吉田5-12-7 |
電話番号 | 080-5494-7892 |
アクセス | 富士山駅から徒歩14分 |
駐車場 | あり:無料 |
チェックイン | 15:00~23:00 |
チェックアウト | 12:00 |
総部屋数 | 2室 |
見学は500円で可能です。